茨城県古河市の小学校で、運動会の最中に「つむじ風」が発生しました。この「つむじ風」は、春先の校庭などで良く発生し、砂を巻き上げテントを吹き飛ばしてしまうため、「小さな竜巻」とも見えるのですが、実際には「つむじ風」と「竜巻」は大きな違いがあります。
つむじ風と竜巻の違い
“つむじ風”と”竜巻”の大きな違いは、発生する時の気象条件です。
竜巻が発生する気象条件
竜巻は積乱雲がある時に、
つむじ風は晴れの日にある日突然発症します。
竜巻は、積乱雲による上昇気流によって渦が発生し、
その渦が積乱雲から巨大に地上に降りてきて、地上のものを吸い上げ、
数十分間に及び竜巻の渦は維持されます。
つむじ風が発生する気象条件
つむじ風は、春の良く晴れた日の午後に突然前触れもなく発生します。
校庭などの上で発生した上昇気流は発生し、校舎などの障害物によって
局地的に地面に渦ができ、土や砂ぼこりを舞い上がらせますが、
1分程度で消滅します。
天候条件 | 積乱雲がある時 | 晴れて気温が高く、空気が乾燥 |
発生場所 | 上空 | 地面 |
発生時間 | 数十分 | 1分程度 |
前兆 | 積乱雲やヒョウ | 前兆なし |
つむじ風が発生しやすい条件
・空気が乾燥
・校庭などの広い場所
・校舎などの障害物
この条件がそろう「春」につむじ風は起こりやすいのですが、
今回6月になって”つむじ風”が発生したのには、空梅雨が関係していると思われます。
空梅雨のため、いつもの6月にしては湿度が低く空気が乾燥し、
そして夏日のような気温の高さ。
運動会開催中の広い校庭に、校舎などの障害物。
この条件が重なり、6月のつむじ風になったのです。
空梅雨の影響はこんなところにも出ているのですね。
あとがき
“つむじ風” と ”竜巻”の大きな違いは、
“晴天の日に発生する地上の渦” と ”雷やヒョウが降る天候で発生する上空の渦”。
つむじ風は竜巻と違い、局地的な発生で1分程度で消滅するとはいえ、
運動会用のテントをも吹き飛ばす威力はあります。
突然発症するので前もって気づくことは難しいようですが、
小さな砂ぼこりが舞い上がっているのを見かけた時は気を付けた方がいいですね。