汗をかく季節になると、胸の上部や背中に赤いニキビのようなブツブツが出来ることありませんか?これ、大人ニキビだと判断して市販の薬で対処したりする人、結構いると思います。それで治れば良いのですが、なかなか治らない場合、それはマラセチア菌というカビが原因のマラセチア毛包炎かもしれません。
マラセチア菌による皮膚疾患
マラセチア菌、聞きなれない名前ですよね。
マラセチア菌とは、皮膚に常在するカビ菌の一つです。マラセチア菌は10種類以上存在し、これが体のニキビの原因菌になることもあります。ニキビの原因菌はアクネ菌だけではなく、皮膚に常在し、普段は何も私たちに攻撃をしないマラセチア菌もその一つになります。
ところが、マラセチア菌の一種で「マラセチアファーマー」は毛穴の中で増殖を繰り返し、それが胸や背中にニキビ様のブツブツを発症させます。これを、マラセチア毛包炎(もうほうえん)と呼びます。
マラセチア菌が原因の皮膚炎は他にもあり、癜風(でんぷう)や脂漏性皮膚炎の原因にもなっています。
◇癜風とは
背中・胸・首・上腕などに白色や褐色の班ができる。
◇脂漏性皮膚炎とは
頭や顔などの皮脂の多い部分にかゆみやフケをもたらす。
マラセチア菌は皮脂が大好きで、汗をたくさんかき皮脂が多く出る季節はマラセチア菌の活動期です。
最近はクールビズなどで職場やデパートなどのエアコン温度が高めだったり、年々猛暑日の継続日数が長くなるなどして、身体に皮脂がたまる状態の時間が長くなっています。
その影響で、ここ数年でニキビのようでニキビでないマラセチア毛包炎に悩まされる人が増えています。ニキビは自然に治りますが、マラセチア毛包炎は自然治癒は難しい皮膚炎です。
胸や背中にニキビのようなブツブツが出来、その治りが悪い場合は、マラセチア菌による皮膚炎の可能性がありますので、皮膚科へご相談下さい。
マラセチア菌によるマラセチア毛包炎だと診断がついた場合、抗真菌外用薬を塗ることで治ります。
マラセチア毛包炎にならないために
前述の通り、マラセチア菌は皮脂が大好物。シャワーができる環境にいる場合は、汗をかいたらシャワーで皮脂を洗い流しましょう。出先の場合は、濡れたタオルなどで汗を拭きとることも有効です。
また、マラセチア菌を予防する石鹸&シャンプーがあります。
▼マラセチア菌を予防する石鹸
▼マラセチア菌を予防するシャンプー
マラセチア毛包炎の経験がある人や、胸元や背中にニキビ様のブツブツがある人は、夏の時期だけでもコラージュフルフルを使ってみるのもいいですね。
マラセチア菌とアトピー性皮膚炎の関係
コラージュフルフルは、アトピー性皮膚炎の人にもオススメの商品です。
実は、マラセチア菌はアトピー性皮膚炎にも大きな関係があることが最近判明しました。アトピー肌の人は、汗がかゆみの原因になることは分かっていたのですが、汗のどんな成分が肌に悪いのかは判明されていませんでした。
広島大学大学院の研究により、汗をかくことで皮膚に常在するマラセチア菌のたんぱく質が溶け、それが毛穴から皮膚内に入り込むことで、かゆみの原因ヒスタミンが生成されることが判明したのです。
あとがき
人の皮膚に常在しているカビ菌・マラセチア菌。汗を長い時間体に付着した状態でいると、皮膚の上でマラセチア菌がどんどん繁殖していきます。カビ菌が自分の皮膚の上で増殖する様を想像すると・・・。
アトピー性皮膚炎の人は勿論ですが、肌が健康な人も汗をかいたらシャワーで流して清潔にするという基本的なケアをしてカビ菌による皮膚疾患から身を守りましょう。