6月から患者が急増し、9月にピークを迎える食中毒。
この時期は、気温や湿度が上昇することで細菌が活発化して増殖し、
食中毒菌が体内に入ると嘔吐・発熱・下痢などの症状を引き起こします。
食中毒の種類や、予防・対策方法をご紹介します。
食中毒を引き起こす原因菌について
食中毒の種類
食中毒の原因菌は16種類ほどあります。
結構多いですよね。
その中から良く耳にする主な原因菌を挙げます。
O157 | 牛の腸に住んでいる |
カンピロバクター | ベットの体内にいる |
サルモネラ菌 | 卵の殻に多く付着している |
黄色ブドウ球菌 | 人の傷口に存在し、傷口で菌が繁殖する |
腸炎ビブリオ菌 | 魚介類の内臓に付着している |
ボツリヌス菌 | ビン詰め、缶詰、保存食品などにいる |
食中毒を起こす細菌には、
【細菌が腸に入って増殖をするタイプ】と
【細菌が持つ毒素が食品につくタイプ】の2種類があります。
下痢や嘔吐の症状を起こす食中毒なのだから、
原因菌は食べ物に存在すると思われがちですが、
細菌は意外なところにも多く存在しているのです。
食中毒原因菌はいろんなところに潜んでいる
洗い桶やタオルは想像もたやすいですが、
洋服やソファーのような布製品にもいるのですね。
どこにでも存在する食中毒原因菌に対し、
私たちはどのような予防・対策をすればよいのでしょうか。
食中毒予防の3原則。「付けない・増やさない・やっつける」
とにかく、食中毒を予防するには、
・菌を食品に付けさせない
・菌を増やさない
・菌を殺菌する
この3つが最大のポイントになります。
では、この3つを守るために私たちが注意すべき15のコツをご紹介します。

1.肉や魚などの生鮮食品は、鮮度の良いものを選ぶ。
2.生鮮食品を購入後は、立ち話などせずにまっすぐ帰宅して冷蔵庫へ。
3.冷蔵庫の中に物を詰め込みすぎないようにする。(7割程度がベスト)
4.温かいままの状態で冷蔵庫に鍋などを入れない。
5.肉や魚を切ったまな板は必ず洗剤で洗ってから、次のことをする。
6.肉や魚を切った手を洗わずに、他の食材に触れない。(生野菜など加熱しない食材)
7.卵を他の食材と同じ場所で保管しない。
8.卵を触った場合は、必ず手を洗ってから他の食材に触れる。
9.手に傷がある場合は絆創膏+手袋で、傷にいる細菌が食材に触れないようにする。
10.食材は中心温度が75℃以上、1分間以上加熱する。
11.大量の料理をして余ったものは、小分けにして早く冷まして冷蔵庫に入れる。
12.前日の残り物を食べる時は、中心温度が75℃以上になるまでしっかり加熱する。
13.レンジで加熱する場合は、途中かき混ぜて温度ムラがないようにする。
14.解凍したらすぐに使うこと。再冷凍はしないこと。
15.調理後は、包丁・まな板・スポンジなどを漂白するか熱湯殺菌する。
色々あるように思えますが、
なぜ菌が増えるのかを理解すれば対策は簡単です。
まとめ
肉や魚の汁の中に細菌がいた場合、
まな板や包丁を洗わずに加熱せずに食べる食材を切るとアウト!です。
必ず、野菜から切って肉や魚類は一番最後に切るようにしたり、
肉・魚用と野菜用とにまな板と包丁を分けてしまうのも手ですね。
カレーなど大量の料理を作った場合は、
鍋の中が多いために料理が冷めるまでの時間がかかり、
食中毒細菌にとっては絶好の住み家に。
夏場は特に台所の室温が高くなるので、
涼しい部屋に移動させて、早く冷めるような工夫が必要です。
意外と気にせず調理している方がいるかもしれませんが、
手の傷には本当に要注意です。
通常、中心温度75度以上で1分加熱すると食中毒菌は死滅しますが、
黄色ブドウ球菌のような毒素型の場合、加熱調理しても毒素が残っているんです。
なので、傷口を塞がずに調理するという行為は大変危険なことなのです。
食中毒と言えば、飲食店などで起こるイメージが強いですが、
家庭でも十分起こり得ることですので、
上記の15項目には注意して、これから増える食中毒に備えましょう。
