花粉症と言えば、スギやヒノキなどの花粉が原因で鼻水やくしゃみが出るアレルギー疾患ですよね。花粉症の人が、ある果物や野菜を食べることによって、口腔内にアレルギー症状が出ることがあります。これを口腔アレルギー症候群と言います。余り聞きなれない病名ですが、花粉症の人の10人~20人に1人がそうだと言われてます。口腔アレルギー症候群の症状や、何を食べるとなるのかをみていきましょう。
口腔アレルギー症候群の原因
花粉症は鼻水などの症状なのに、どうしてある果物や野菜を食べると口や食道にアレルギー症状が出るの?と思いますよね。
花粉にはアレルギーを引き起こしやすいたんぱく質が含まれていて、このたんぱく質を吸い込むと人によってアレルギー症状が出ます。
これが花粉症ですね。
花粉に含まれるたんぱく質と似たたんぱく質が、なんとトマトやスイカなどの野菜や果物にも含まれていて、花粉症の人がそれらを食べると口や食道が腫れるなどのアレルギー症状が起こります。これが口腔アレルギー症候群なのです。
口腔アレルギー症候群の症状
花粉症の症状が重い人ほど、口腔アレルギー症候群になる頻度が高いです。花粉症の人は口腔粘膜や鼻の粘膜が傷んでアレルギー症状を起こしている状態なので、花粉症の時期に口や喉に激しい症状が出ます。
・唇や口の中が腫れる
・喉が腫れる
・鼻水やくしゃみが出る
・顔が腫れる
・蕁麻疹が出る
・呼吸困難(アナフィラキシー)
アレルギー症状が出る食べ物【花粉症別】
春の花粉症、秋の花粉症など原因となる花粉は様々です。花粉の種類によって、アレルギー症状が起こる食べ物が異なります。
ヨモギ | 人参・セロリ・メロン・キウイ・リンゴ |
ブタクサ | バナナ・スイカ・ズッキーニ・キュウリ |
ハンノキ・シラカバ | リンゴ・もも・梨・さくらんぼ |
カモガヤ | メロン・スイカ・トマト |
イネ | メロン・スイカ・トマト・キウイ・オレンジ |
スギ・ヒノキ | トマト |
このように花粉の種類によってアレルギーを引き起こす食べ物が異なります。一番口腔アレルギー症候群になりやすいのは、ハンノキやシラカバ花粉症の人です。
まずは自分が何の花粉症なのかを知り、どの食べ物に反応するのかを検査して把握しておくことが大切です。冒頭でもお伝えした通り、花粉症の人の10~20人に1人が口腔アレルギーがあるのなら、決して珍しい頻度ではありません。
検査方法
自分が何の食べ物でアレルギー症状を起こす可能性があるのかは、プリックテストで検査が出来ます。
これはアレルギーを起こすかもしれない食べ物を針で刺し、それを皮膚表面に刺して15分後の皮膚の変化を見ます。家から野菜や果物を持参してテストでき、保険適用可の検査です。
花粉症症状の重い人は、上記の表をチェックして、アレルギーを引き起こしそうな食べ物を持参して、一度検査をしておくのも良いですね。
口腔アレルギー症候群の対処法
口や喉にアレルギー症状が出たらどうすれば良いのでしょうか。
・食べない
・加熱や加工すると症状が抑えられる
・抗アレルギー薬を飲む(花粉症自体が抑制されるので症状が出にくくなる)
アレルギー症状は生で食べた時に出ることが多く、加熱して加工された状態だと出にくい傾向があります。
例えば、ポテトサラダを作る時、普通は生で塩もみしたキュウリを使いますが、アレルギーがある人は一度茹でてから使うと症状が出ないことが多いです。
今まで普通に食べられていたものが全く食べれなくなるのも辛いので、加熱して食べるなど工夫するといいですね。