2014年4月から消費税が8%に増税されることが10月1日に決定しました。
1989年に消費税3%が誕生し、1997年には3%から5%へ。
そして今回は17年ぶりの増税となります。
消費税増税は何の目的で行われるのでしょうか?
また、この増税により私たちの家計、暮らしにどんな影響があるのでしょうか?
消費税増税の目的
なぜ、2014年4月から消費税が増税されるのでしょうか?
それは、社会福祉財源の充実と安定化です。
2013年6月末の時点で、
国と地方の借金は1008兆6281億円あります。
しかし、これに対し2013年の国の税収は43.1兆円の予定で、
とても借金をまかなえる金額ではありません。
そのため消費税5%から8%に引き上げ、その増税分3%を
年金・医療・介護・少子化対策などの社会福祉に当てようという経済政策です。
増税のタイミングは景気が上向きの時に行われます。
では、今が増税するにふさわしい景気上向きのタイミングだと判断された理由は、
年4回実施される全国企業短期経済観測調査(日銀短観)の回答です。
日銀短観とは、民間企業(中小零細大企業様々な企業)に経営状態を調査し、
“景気が良い”と答えた企業から”景気は悪い”と答えた企業を差し引いた指数で、
国内の景気動向を示す指数となります。
調査年月日 | 日銀短観指数 |
2012年12月 | マイナス12 |
2013年4月 | マイナス8 |
2013年7月 | プラス4 |
2013年10月 | プラス12 |
このように3期連続でプラスが維持され、
2013年7月の指数から10月は8ポイントもアップし、
リーマン・ショック以降5年9か月ぶりの高水準となったことを確認し、
2014年4月から消費税を8%に増税することが決定したのです。
消費税8%の生活への影響は?
消費税が3%分上がることで、私たちの暮らしにはどのような影響が出るのでしょうか。
年収250万未満 | 5万5349円 |
年収300万 | 5万7890円 |
年収400万 | 6万4999円 |
年収500万 | 7万3691円 |
年収600万 | 8万8388円 |
年収700万 | 9万4993円 |
年収800万 | 9万9819円 |
年収900万 | 10万1664円 |
年収1000万 | 11万4118円 |
年収1500万 | 16万2083円 |
<第一生命経済研究所試算>
年間でこれだけ生活に負担がかかってくるようになります。
給料がずっと増えない中で生活をしているのに、
そこに増税なんかされると消費者は疲弊するばかりです。
それを防ぐために、
アベノミクスとして5兆円規模の経済対策を安部総理は打ち出しています。
企業減税で浮いたお金で給料アップ
生産性の高い設備投資をした企業には「設備投資減税」をしますよ。
きちんと賃上げした企業には減税してあげますよ。
復興特別法人税を1年前倒しで廃止し、その分を賃金に回してくださいね。
企業減税にはこのような意図があります。

企業が払う税金を減額することで企業が潤う。
↓↓↓
賃金(給料)を上げる
↓↓↓
給料が上がったので、消費税増税分がカバーできる
↓↓↓
物が売れる
↓↓↓
企業が潤う
企業が減税された分、社員に給料アップで還元をし、
それが消費に繋がり経済がグルグルと上向き続けるという良いサイクルです。
ここで消費税増税が「吉」となるのか「凶」となるのかは、
企業が潤った分を給料アップとして社員に還元するかどうかにかかっています。
またいつ経済が不安定になるか分からないから、
社員に還元するよりも、会社母体に溜め込んで力を付けておきたいと考える企業も
当然のことながらあります。
日銀短観で経済が上向きだと回答しているのは大企業であり、
中小零細企業は上向きの体感はないのですから。
もし、企業が潤っているにも関わらず賃金を上げなかったら。

企業が払う税金を減額することで企業が潤う。
↓↓↓
しかし、賃金は上げない
↓↓↓
給料が上がらないので消費税増税分が家計を直撃
↓↓↓
個人消費が落ち込む
↓↓↓
景気の腰折れ
給料は変わらないのに物価が上がる。
今の生活水準を守るためには節約をするしかなく個人消費は落ち込み、
上向きだった景気が腰折れしてしまう。
この”増税による景気の腰折れ”が、消費税が3%から5%になった時にあったのです。
そうならないためにも、消費税増税の肝でもある「賃金アップ」が行われたかどうかを
国がチェックする体制を取ろうかという話になっています。
国が強制的に企業に「給料を上げなさい!」とは言えないので、
企業頼みでしかないんですよね。
8%は増税の序奏に過ぎず、
ゆくゆくは消費税10%が政府の視野にはあります。
冒頭で示した国と地方の借金は、10%に増税されても賄いきれない金額です。
15%に増税されて何とか・・・というレベルだそう。
給料をあげてくれる企業なら良いのですが、
我が家の場合はとても期待できそうにないので、
それまでは省エネで光熱費を抑えたり、出費を抑えるような節約生活を
強いられることは間違いありません。